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露街公開空地

創作やコンテンツに関する覚書......にしたい

とある夏 (2)

日記

sheeta-mm.hatenablog.jp


 遺体が自宅へ戻るや否や、葬儀屋と両親が打ち合わせを始める。式(通夜、告別式)の日程は勿論のこと、部屋や祭壇のランク(高ランクになればなるほど祭壇がでかくなる)、遺影の写真および額縁、さらに香典返しといったあらゆる事物の選定が行われた。最近の遺影は背景も衣服も合成で好きなものに変えられるものだというらしい。ハイテク。祖母は自分の写真ほとんど残していなかったが(捨ててしまった)、PCの中に埋もれていた中から、画になりそうな写真を一枚選ぶことができた。トントン拍子でシステマティックに事が決まっていく。隣の部屋には遺体が安置されている。奇妙な光景だった。

 さらに一日、何もない日があった。通夜はその翌日。告別式は翌々日である。
 その日は、世間的に見ればごく普通の一日だったが、我が家にとってはあるいみ異質な一日だった。父と母と私と弟それに、都内在住の母の姉にあたる人物が、田舎の新興団地に位置する私の実家、父と母の家に集う……おそらく十数年に一度あるかないかの機会だ。

 その日は結局、家にこもっていた。実家周辺は商業施設も公共交通も乏しい場所であるから、外へ出ようにも、行く宛が無かったのだ。昼間、両親が葬儀屋との打ち合わせ等の用事で不在の間、弟と、とりとめのない近況報告などをしていたように思う。またそれに加えて家の掃除もしていた。しばらく帰っていない実家には長いこと掃除されず埃が溜まっている箇所が数多くあったため、私はそれを見つけては掃除機やティッシュで埃を排除していた。結局、身体を動かして、出来るだけものを考えないようにしていたのだと思う。

 生々しい事実であるところの、祖母の遺体。それと直接向き合うには、私は精神が幼すぎたのだと思う。