オンラインでカラオケを120%楽しむ技術(前編)

はじめに

あけましておめでとうございます。

あっという間に2021年になりましたが、コロナ禍は収まる気配を見せることもなく拡大の一途をたどっています。この状況下で注目を浴びているのがZoomをはじめとするオンラインチャットツールです。昨年、オンラインチャットツールが一気に広まった結果、オンラインでの飲み会や会議といった使われ方がすでに一般的になっています。

音声(と映像)を伝送できれば、オンラインでできることは意外に沢山あることに気付かされたのが昨年でした。その中でカラオケをやろうとして上手くいかなかった人もいるかもしれません。これにはちゃんとした理由があり、音声の伝送は常に遅延と隣り合わせであるためです。

一般的なチャットツールの欠点

ZoomやDiscordといった一般的なチャットツールだけでもカラオケは不可能ではありません。簡易的に楽しむだけなら一般的なチャットツールだけで問題ない場合もあります。その一方、2人以上で同時に歌ったり、デュエットをしたりしたい場合に必ず問題になってくるのが遅延です。自分の声が相手に届くまでに、場合によっては1秒程度の遅れが生じます。こうなると、2人以上で同時に歌ったり、デュエットをしたりすることは困難です。

そこで本記事では、できるだけこの遅延を抑えて、オンラインでもリアルに近い水準のカラオケを楽しむための方法について記載します。

必要なもの

  1. PC
  2. ある程度強いインターネット回線
  3. ASIO対応のオーディオインターフェース
  4. オーディオインターフェースに接続するマイク
  5. イヤホンまたはヘッドホン
  6. SYNCROOM

上記のものを、カラオケに参加する人全員がそろえる必要があります。以下詳しく説明していきます。

1.PC

本記事ではWindowsPCを想定しています。Macでも本記事の内容をある程度参考にできるかもしれません。

2. ある程度強いインターネット回線

ここからハードルが上がってきます。光回線であればベストです。リンク先のサイトで良い結果が得られるかどうか確認すると良いでしょう。スマホテザリング等では厳しいと思われます。

3. ASIO対応のオーディオインターフェース

オーディオインターフェースDTM(音楽制作)の現場などでは必須のハードウェアですが、一般的にはあまり馴染みのないものかと思います。ざっくり言えば「PCで音を専門的に扱う人が用いる機械」です。

オーディオインターフェースは価格帯も形状もさまざまで、選定にはある程度迷う必要があるかと思います。ただ、必ずASIOという規格に対応しているものを選んでください。

私もあまり詳しくないので選び方については他の情報を参照していただきたいと思います。またASIOも説明すると非常に難しいのですが、そういう規格があると知っていれば何とかなります。以下のページ等が参考になるでしょう。

music-thcreate.com

私は以下のオーディオインターフェースを使用しています。VT-4などのボイスチェンジャーがあれば、それで代用できる場合があります。

4. オーディオインターフェースに接続するマイク

カラオケですから当然マイクが必要になるのですが、このマイクはオーディオインターフェースに接続できる端子を持ったものである必要があります。この時点で、USBでPCに直接接続するタイプのマイクは使用できないことになります。(無理やり使う方法はあるみたいですがとりあえず考えない方向で。)一般的にはXLRという規格の端子を持ったマイクであれば問題ありません。

マイクにもさまざまな種類があるので調べてみると面白いかと思います。私は以下2つのマイクを場合により使い分けています。

5. イヤホンまたはヘッドホン

音を聞くための機器として、イヤホンまたはヘッドホンが必須です。スピーカーで音を鳴らしてしまうと、鳴らした音をマイクが拾ってしまうためです。基本的にはBluetooth接続の製品ではなく有線接続の製品を使用します。

6. SYNCROOM

syncroom.yamaha.com

SYNCROOMはヤマハが提供するオンラインセッション用ソフトウェアで、無料でダウンロードおよび使用が可能です。

SYNCROOMはもともとは演奏等を含めたオンラインセッションを想定して作られたソフトウェアですが、非常に低遅延で音声を送ることができるのでカラオケ用途にも適しています。ZoomやDiscordで音声チャットをする代わりにSYNCROOMで相手方と自分をつなぐイメージです。

準備

以下の準備をカラオケ参加者全員が行う必要があります。

オーディオインターフェース用のドライバをインストール

ASIO対応のオーディオインターフェースであれば基本的に専用のドライバが存在しているため、それをインストールします。最近の製品ではCD等が付属せず、Webからドライバをダウンロードして使用するのが一般的でしょう。

オーディオインターフェース、マイク、イヤホン/ヘッドホンの接続

次の接続を行います。

ここで注意が必要なのは、イヤホン/ヘッドホンはPCのイヤホン差込口ではなくオーディオインターフェースのイヤホン差込口に差さなければいけない点です。私が初めてオーディオインターフェース(正確にはVT-4)を触ったときにここを勘違いして多くの時間を無駄にしました。

またオーディオインターフェースのイヤホン差込口は一般的な差込口である3.5mmミニプラグではなく、プロ用途で使われる6.3mm標準プラグである場合もあります。こうした場合、変換プラグが必要になります。

SYNCROOMのインストール

syncroom.yamaha.com

インストールは上記マニュアルの手順に従うのみなので特に難しいことはありません。「インストールの種類」は今後SYNCROOMを活用していく上で「標準」を選んでおくことを推奨します。(本記事の内容だけであればどちらを選んでも問題ありません。)

SYNCROOMの起動、セットアップ

ここがマニュアルでは詳しく触れられていない場所です。基本的には画面の手順に従うのみなのですが、若干つまづきポイントもあるので説明していきます。

オーディオデバイスの設定

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手順の通りドライバをインストールしオーディオインターフェースをPCに接続していれば、上記のような画面が表示されます。この画面にならない場合、手順を失敗している可能性があります。

入力の設定

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上記画面は基本的にはいじらなくて大丈夫です。ただし、入力テストボタンを押して声を発してもメーターが反応しない場合、マイクに電源(ファンタム電源)が供給されていない可能性があります。オーディオインターフェースのマニュアルを見れば、どこかにファンタム電源の供給の仕方について記載があるはずです。

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上記画面は、自分が発した声をイヤホン/ヘッドホンで聞くかどうかの設定画面です。VT-4などのボイスチェンジャーを使用する場合「モニタリングしない」を選択します。

接続テストルームに入り音の聞こえ方をチェック

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セットアップが終わりメイン画面に戻ったら、画面上部の「ルーム一覧」ボタンをクリックします。表示されたページの一番下に「接続テストルーム」がありますので「ルームに入る」ボタンをクリックすると、以下のような画面になります。

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ここでマイクに向かって声を発してください。その声が3秒後にイヤホンから戻ってくるようなら設定は成功しています。設定がうまくいっていない場合、声が何重にも重なって聞こえたりする場合があります。その際は、設定画面から「入力チャンネル」「出力チャンネル」をいじってみてください。

いざセッション

syncroom.yamaha.com

お疲れさまでした。ここまでの準備ができてようやく超低遅延カラオケが楽しめます。ここから先の手順はSYNCROOMのマニュアルを参照いただきたく思いますがあと一点だけ。

音源を流しながらカラオケをしたい場合、画面左の「オーディオプレイヤー」から音楽ファイル(MP3、WAV、WMA)を選択して再生します。

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おわりに

本記事はSYNCROOMで超低遅延カラオケをするための基本的な手順を説明しました。前編と題したとおり、後編の記事も書く予定です。後編ではVRと併せて用いる方法など、よりオンラインカラオケを楽しむためのSYNCROOMの活用法について説明したいと思います。