バーチャル魔法少女としての「わたし」のこれまでとこれから

はじめに

この記事は、わたしのバーチャル活動のこれまでを振り返り、この先の展望的なものを示すための記事です。

近況

「VRetires」に加入

障害・疾患系バーチャル存在グループ「VRetires」に加入した。入ったからといって何かあるわけではない。グループの趣旨が「何もしない」「何かしたいときに何かする」なので、わたしもこれにならって気が向いたら活動するし、気が向かないときは活動しない。ただ、どこかに所属しているという意識があることで、完全な個人として活動するよりは自分の活動(や非活動)に「箔がつく」と思っている。

今後「VRetires」としての活動があるかどうかはわからない。なんとなく名乗りたいときには名乗るかもしれない。

歌ってみたを投稿

歌ってみた動画を投稿した。歌の上手さなどの評価は各人に委ねるとして、桜町しいたとしての活動実績を一つ作れたことがまず大きい。この曲は、わたしがニコニコに入り浸るようになったきっかけとも言える曲であり、何を隠そうわたしの名前「しいた」の由来になった曲だ。

今回、わたしの歌をステキに仕上げてくださったのは「特定非営利活動法人キャンバス」様だ。

npo-canvas.net

特定非営利活動法人キャンバスは「業界初の『歌ってみた』専門部署を持つ『ミックス 』が出来るNPO法人」であり、また設立理念にあるとおり、障害や難病を持った人々へ就労場所を提供するという意義を持ち合わせている。公式キャラクター「羽里浮野がふう」ちゃん共々活動を拡大しているので、障害持ちの立場としても、また一個人として応援している団体だ。

twitter.com

わたしはいかにして出来上がったか

かわいいへの欲求

20年前、「おジャ魔女どれみ」でどれみたちが着ている衣装がなにかの間違いで自分のもとに降ってきたらいいのにと思っていた。かわいいへの欲求はそれくらい昔から芽を出していた。

ななついろ★ドロップス」や「もえたん」、「魔法少女まどか☆マギカ」といったアニメの洗礼を受けたわたしの中では、かわいいへの欲求が次第に鮮明なものへ変わっていった。ちなみにこの3作はいずれも魔法少女モノで、わたしが魔法少女を名乗っているのはここに由来がある。

もえたん Blu-ray BOX

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  • 発売日: 2014/11/21
  • メディア: Blu-ray

(名作なのでぜんぶ見てほしい)

2011年に一人暮らしを始めた(もう10年前なのかと書きながら驚いている)。変わったことはまず、誰にも気付かれずに好きな服を買って着れるようになったことだ。このときはじめて、昔からの欲求が具体的な行動につながった。

最初はちゃちなメイド服、次に「魔法少女まどか☆マギカ」の主人公鹿目まどか魔法少女服を買って、拙いながらにコスプレ活動を始めた。はじめは一人で活動していたが、いろいろなきっかけで活動を共にする仲間もできた。だんだんとコミケやコスプレイベントに参加するようになり、衣装も増えていった。自分がかわいい姿になること、理想の姿へ近づくことへの快感がそこにはあった。*1

VRとの出会い

VRにはじめて触れたのは2019年のこと。明確なきっかけがあるわけではなく「そうだ、VRやろう」くらいのノリと勢いでゲーミングPCとOculus Rift Sを入手した。手始めにGoogle Earth VRをプレイして「VRすげー!」となったが、これはほんの序の口に過ぎなかった。

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母校を上空から眺める

バーチャルキャストというソフトウェアがあることをニコニコのどこかで見て知っていたので、それもインストール(当時はSteam化されていなかった)。いくつかのかわいらしいアバターを試着して、いくつかの枠に凸してみたりした。*2

バーチャルの世界では、現実世界で男性の身体を持った人が美少女のアバターをまとう行為が「バ美肉」として広く受け入れられていることを知った。とるべき行動は一つだった。

「乗るしかない、このビッグウェーブに」

そういうわけでわたしは晴れてバ美肉を果たした。まだまだ洗練されていないアバターと拙いボイスチェンジではあったが、確かにバーチャルの世界に美少女として降り立った。

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この野暮ったさが初期キャラデザっぽい

バーチャル世界に降り立ったわたしは順調に活動実績を積んでいき人気者に……とはならないのがこの世の常である。仕事がしんどくてVRに入る気力がなく、手元のOculus Rift Sは埃をかぶりはじめた。同年の冬にはストレスにより体調を崩し、2020年になってからも回復せず休職からのうつ認定を受けることになる。ちょうど世界中でコロナパニックが発生した頃、わたしはきわめて個人的な理由で動けなくなっていた。

VRに救われる日々

うつにより活動することがままならない中でも、VRの中ではかろうじて身体を動かすことができた。そしてそこでさまざまな人と出会った。そこには、崖っぷちのわたしを受け入れてくれる場所があった。当時のわたしが人生に絶望せずにいられたのは、こうした人々との出会いがあったからだと思う。

高度な技術を持つ人、圧倒的にかわいい人、説明できないけれど魅力的な人。VRの中で出会う人々はそれぞれが異なる「光」を放っていた。その輪の中にいられたことは幸福な体験だった。VRの中での体験が、立派な「思い出」になっていった。

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バーチャルマーケット4散策中のわたし

配信活動

先述の通り休職により時間の空いた2020年は、VRの中でいろいろな体験をした。並行してバーチャルキャストによる配信活動も行っていたのだが、実態はかなり迷走していたと思う。

思うように来場者数もコメント数も伸びなかった。配信者にはありがちな悩みである。配信の「伸び」のために多少の試行錯誤は行ったが、その中には明らかに的外れと思われるものもあった。あげく「昔のほうがよかった」とコメントで言われ、やる気をなくしたりもした。

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闇堕ちフォーム

こうした経験を踏まえ、目先の数字や流行にとらわれない、自分が自然体でいられるような活動にシフトしていった。一時期はYouTubeSHOWROOMといった配信サイトに進出を試みたが、現在はニコニコに活動拠点を(ほぼ)一本化している。わたしのような末端の配信者にとって、ニコニコは自分のペースで活動がしやすいというのが理由だ。ありがたいことに固定のリスナーさんも何人かついてくれて、それが活動の原動力になっている。

わたしはどこへ向かうのか

ここまでわたしの現在に至るまでの経緯を書いてきた。ここからは、現在までに出ている課題と、わたしのこれからについて述べてきたいと思う。

メインストリームには乗れない

日頃思っているのは、わたしはきっとメインストリームには乗れないし、乗らないほうが良いのだろうということだ。

バーチャルな存在のメインストリームといえば真っ先に「VTuber」が連想される(「VTuber」という呼び名とそのあり方ついては改めて記事を書いて考察したいと思うが、ひとまず脇に置く)。

彼らの主な活動拠点はYouTubeであり、主な活動内容はゲーム実況や雑談、歌、コラボ配信といったものだ。しかしわたしはまず「ゲーム」と名のつくものはほとんど得意ではないし、トークスキルがあるわけでもない。YouTubeというレッドオーシャン(ロゴが赤いだけに)で活動して注目を得るのも容易ではないだろう。

そこで、いわゆる「VTuber」という括りから少し外れた領域で活動するのが個人的には合っていると思う。たとえば今あなたが読んでいるこの記事のような文章をしたためるのも活動の一部として、「動画」「配信」にとらわれない在り方を見出していきたい。

また、バーチャルキャストを今よりさらに活用してVRならではの活動ができるとなお良い。幸いなことに、バーチャルキャスト配信者の中には面白い企画を実施している先駆者が数多くいる。今はまだ簡単な雑談配信やカラオケ配信しか行えていないが、今後、何かしら新しいことに挑戦していきたい(と言いつつ何もしない未来が見える)。

「ありたいわたし」であるために

わたしにとっての「かわいい」存在は繊細な感性を持ち、見る者に庇護欲を生じさせるような存在だ。バ美肉したからには、他者に見える自分が「かわいい」存在であればよいと思う。

一方、わたしの現実の姿は言うまでもなくおっさんで、その実かなり粗雑な性格と生活をしている。そのため、自分がありたい形、「かわいい」形との間にはギャップがどうしても生じてしまう。このおっさんの内側に「ありたいわたし」を見出すのはかなり苦しい作業になる。

それでも「かわいい」は、わたしの根源に近い欲求だ。かわいくあることを諦めたくはない。「かわいい」というワンフレーズには人それぞれに定義があるはずだが、わたしはわたしの「かわいい」を確立していきたい。

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フルトラ・アイトラを活用してここまで行き着いた

おわりに

長々と書いてしまったが、わたしのこれまでとこれからについて少しでも伝わったならば幸いである。

先にも書いたが、このような文章もバーチャル活動の一つの形だと思っている。動画や配信以外にも文章という表現方法があることはバーチャル界隈にもう少し認知されてもよい気がしているが、これはまた次の記事あたりで語りたい。

それでは、また次の記事 or 配信でお会いしましょう。

*1:現在はコロナによるイベントの減少や物理体重の増加などさまざまな事情でコスプレ活動は休止中だが、いずれは復帰したいと思っている。

*2:「凸」はバーチャルキャストの機能で、簡単に言えば人の部屋にお邪魔する機能である。